やや褐色がかったアガリで、洲浜形のデコラティブな造形はさすが桃山の織部と言える力強さで、

正面の襷掛けに入る白抜きも大変洒落ています。最大の見所は土見せになった高台でその土味の良さと

豪快な削り出しや高台内の窯印は、まさに眼の御馳走と言えます。伝世品のような土味や落ち着いた

釉調から、大きく破損した伝世の茶碗に呼継ぎを施した可能性もあるではないかと考えます。

白抜きの所に２片の呼継、割れ修理、口縁に共なおし有　漏れはありません。

口径１１.０〜１３.７㎝　高さ６.５㎝　桃山〜江戸初期　桐箱付