三宅亡羊 書

「月明三千界 白雪一乾坤 贈白帋 亡羊(印)」

一枚の白紙は心の持ちようで、拡がる月明かりにも一面の雪景色にも見える。

余白を「無」ではなく自由なイメージの場と捉え、観る者との共感という共同作業で

心の有り様を愉しむ遊びが、いかにも日本的であります。古色を帯びた表具も美しく、

たった十文字に内包される奥行きのある世界に、精神の解放を感じます。

 

三宅亡羊(1579-1649) 和泉に生まれた江戸前期の儒者・茶人。父は堺五奉行のひとり。

京都大徳寺でまなび,藤原惺窩(せいか)に兄事した。諸侯にまねかれ,後陽成天皇,後水尾天皇にも

進講。茶は宗旦(そうたん)四天王のひとりにかぞえられ,香,花もよくした。

軸装107.3×51.0㎝ 本紙26.5×41.0㎝ 江戸初期 時代箱付

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